相互オナニーがカップルの性的満足度を高める研究結果が公開

一般的に、オナニー（自慰行為）は個人が行う行為と一般的に認識されていますが、実はカップルが行う相互オナニーも重要な役割を果たすことがわかりました。

これまでの研究では、ほとんどが個人のオナニーに焦点を当て、カップルによる相互オナニーについてはあまり調査が行われていませんでした。

今回のイギリス・サウサンプトン大学のディラン・クルチ氏らの研究によれば、カップルが相互マスターベーションを行うことが、恋愛関係において性的満足度を高めるために重要である可能性が示唆されています。

人間関係における相互オナニーの役割

今回「Taylor & Francis Online」にて発表された研究「The Role of Mutual Masturbation within Relationships: Associations with Sexual Satisfaction and Sexual Self-Esteem.（人間関係における相互オナニーの役割：性的満足および性的自尊心との関連）」を詳しく見てみましょう。

すでに特殊性癖や特殊プレイが性的満足を高めることは実証済み

これまでの研究では、多様な性的レパートリーと性的満足は女性の興奮との間に正の関連があることが実証されている。しかし、これまでの研究では、性的レパートリーを評価する際に「パートナーと一緒にバイブレーターなどのおもちゃを使用すること」はしばしば含まれていたが、相互オナニーは含まれていなかった。相互オナニーは、視覚的な興奮を提供することができ、またパートナーが性的なニーズ、好き嫌いについてオープンにコミュニケーションをとるのを助けるかもしれない。とされている。

これまでの相互オナニーに関する研究

これまでに若い女性のパートナー付きオナニーと単独オナニーの経験について調査した質的研究は1件のみである。

この研究では、相互オナニーをする動機として、パートナーとのつながりを持ち、親密さを向上させたいという欲求があると報告した女性もいたが、パートナーを興奮させ、喜ばせるために、時には自分の欲求とは関係なく男性パートナーの要求に応じて、あるいは時にはパートナーとのセックスで自分の快感を保証するために、その行動をとっていた。

加えて、自慰行為のプライベートな性質や身体的な不安から、パートナーの前で自慰行為をすることに気まずさや恥ずかしさを感じる女性もいれば、パートナーを興奮させたり喜ばせたりすることから魅力を感じると述べる女性もいた。

相互マスターベーションはまた、挿入への焦点を減らすことで性的経験を高めるツールであり、カップルの関係を発展させる方法であるとも言われている。

今回の研究に関する調査内容

目的と調査内容

本研究の目的は、相互オナニーに関する女性と男性の感情と経験を探り、相互オナニーの頻度と性的満足感および性的自尊心との関連性を調査することである。

女性と男性の間での相互マスターベーションを探求し、性的満足度と性的自己評価との関連性を調査しました。

調査体調は117人の女性と151人の男性（平均年齢29.7歳）、ほとんどが異性愛者で、独りでの性行為とパートナーとの性的な活動に関する経験、相互マスターベーションに対する感情、性的自己評価、性的満足度について質問しました。具体的な設問は以下の通り。

Q1：相互オナニーについて、個人はどのような感情や経験を報告しているか？男女差はあるか？
Q2: 相互オナニーの頻度と性的満足度の間にはどのような関連があるか？
Q3: 相互オナニーの頻度と性的自尊心との関連は何か？

調査結果：相互マスターベーションは両性にとって一般的

男性は女性よりも相互マスターベーションに対する肯定的な感情がある報告しました。最近の相互オナニーは性的満足度と正の関連がありましたが、性的自己評価とは関連がありませんでした。

結論：相互オナニーがカップルの性的満足度を高める

本研究の結論では、「今回の調査結果は、相互オナニーはカップルの間で一般的であり、多くの人が相互オナニーに対して肯定的な感情を抱いていることを示唆している。相互オナニーを行うことで、カップルの性的行為におけるレパートリーが増え、性的満足度が高まる可能性がある。カップル同士の経験や考え、および独りでの自己愉悦とパートナーとの自己愉悦についての相互作用を探求し、カップルの性的なやり取りをより深く理解するために、双方向的アプローチ（相手との関係や相互作用を考慮しながら、研究を行う手法）および混合メソッド（数値データと質的データ（文章やインタビューから得られるデータ）を同時に使用して研究を進める）のアプローチが役立つでしょう。相互マスターベーションと性的満足の関係の本質をさらに明らかにするためには、今後のさらなる研究が必要である。」とされている。